視察内容:「旧蜂巣小学校の利活用(多機能型障害福祉サービス事業所」について
1.はじめに
那須町の概要 (町ホームページ及び配布資料より転載)
那須町は、栃木県の最北端に位置し、首都東京からは約170キロメートルにあり東京から仙台間の中間に位置しています。那須連山と八溝の山並みに広がるわが町は、北西部に那須連山の主峰、茶臼岳(1915メートル)がそびえ、今なお煙を吐き続けています。その南斜面には、1390年の歴史を持つ温泉があり、日光国立公園「那須温泉郷」として観光の名所となっています。山麓地帯には、別荘地やテーマーパークがあり高原地帯には、傾斜地を利用した酪農が続き、中央・東部地区には、水田地帯が広がっています。また、南東部の伊王野・芦野地区には源義経に始まり、俳人松尾芭蕉に至るまで多くの史跡があるほか林業・石材業の町として発展を続けています。
※視察当日は、公私とも大変ご多忙にもかかわらず、議長はじめ関係議員の皆様から会場に足を運んでいただき、議会としてのこれまでの対応や議論について詳しくご説明を賜りました。建設的な議論を踏まえ、今後の道筋も御指南いたたきましたこと、衷心より感謝申し上げます。
2.視察事項
那須町では、旧朝日小学校廃校利活用し、那須まちづくり株式会社と一般社団法人コミュニティネットワーク協会の「那須まちづくり広場」の視察をお願いしました。
当日は、現地ではなく役場内の議会会議室での座学と意見交換となりました。ひろばの家 サービス付き高齢者向け住宅の中の交流ホールは、可動仕切り壁の再利用によって (96㎡ 定員100人)有効活用されているわけですが、会議、イベント、講習会、コンサートなどの事業実績について(予約状況から毎日利用されていることがわかる)、校舎や体育館のリノベーション経費について、自己資金 補助金 など、をお聞きすることができました。
自立スタイルの住宅の管理運営をする那須まちづくり株式会社が運営するのは、ご提供いただいた資料によれば、交流ホール「ひろばのひろば」、アートギャラリー「LaLa えすぱす」。ブックギャラリー「LaLa いくた」、自立の方向けサービス付き高齢者向け住宅、ひろばの家・那須1」多世代賃貸セーフティネット住宅、「ひろばの家・那須3」、オーガニックコットン・竹布の店、「めぐり氣まま」および授乳スペース、ボランティア控え室などです。
【質疑応答】
【回答】
プロポーザル方式による他社からの提案事業に「温泉とトラフグの養殖」「日本語学校運営」などがありました。地元住民2人を含めた10人の委員からなる審査により、審査項目 ①法人等の安定性 ②事業の実現性・継続性 ③地域への貢献度 ④地域との調和性などで最高点を獲得したため、総合的な事業提案の中で選定されたものです。
(現時点での自己評価)
【回答】
高齢者の移住定住促進に軸を置きながらも、多世代交流、地域活性化、健康増進、文化活動など多岐にわたる取り組みで、誰もが生きがいを持って暮らせる「生涯学習のまち」実現に寄与していると確信しています。
⑶ 交流広場では、どのような事業が行われているのか
【回答】
ここに書ききれないほどの充実したイベントや生涯学習がラインアップがあります。
「那須まちづくり広場『楽校』のおしらせ」
音楽による回想法 エンドオブライフ・ケアにおける音楽 2025.11.1
(広報那須でも掲載 2024年2月号)
【回答】
運営推進会議への参加、町主催の研修会、介護に関する入門などに講師として招聘しています。
【回答】
地域共生社会の実現に向け、各種計画の施策に活かされています。
【回答】
多世代交流、地域活性化、健康増進、文化活動など多岐にわたる取り組みで大変高い評価を得ています。
【回答】
高齢者の増加について対応するため、受け入れ人数の拡充、認知症高齢者を最期まで安心して看ることのできる体制整備を期待しています。
3.考察
私は、これまでの市民との意見交換や現役世代の生き方・働き方の研究を行ってきました。その中には、廃校の利活用と地域課題の解決について、喫緊の最重要課題であると認識しているからです。
今回の行政視察は、その延長上にある取り組みのひとつとして大変参考になりました。今後廃校予定の白岩城址のあった白岩小学校や田園風景など自然に囲まれた三泉小学校の校舎を利活用して、今後の介護事業や郷土史の歴史など生涯学習事業を展開していくべきだと思います。
現役世代の多様な市民が協同で仕事をおこす「労働者協同組合法」と社会を変える生き方・多様な働き方の啓発について (一般質問 2021年12月議会)議事録抜粋
さくらんぼの里で市民が仕事をつくり、地域を活性化させ、新しい公共を担う労働者が主人公の持続可能な社会実現について、1つ目は、多様な市民が協同で仕事を起こす労働者協同組合法についてご質問します。山形新聞の10月2日朝刊の記事に、「働き手が主役『協同労働』」として、昨年12月4日に成立した労働者協同組合法の特集が掲載されておりました。全国の地方議会において、これまで法制化の早期制定を求める意見書の請願採択も行われてきています。県や山形市、そして河北町でも採択されたようです。さて、多様な市民というと、若者や女性、退職者、年金生活者だけでなく、障がい者、失業者、独り親など、いわゆる社会的弱者と言われる皆さんが、労働者協同組合をつくって、働く組合員として、出資、経営、労働という3つの役割を担うことで、組織の指揮命令下で働くだけでなくて、組織運営にも携わることができる、働くことへのやりがいも期待されていると言われております。まさに新時代の新しい働き方と言えると思います。今だからこそ、起業、創業、スタートへの支援が必要だというふうに思いますが、市長の御所見をお伺いしたいと思います。
(佐藤市長)
働く人が自ら出資をして運営に携わるという、協同労働という新しい働き方を実現するために、先ほど御指摘ありました労働者協同組合法というのが令和2年12月の臨時国会で成立して、令和4年10月1日から施行されることになっております。先ほどありましたが、この法律は、やりがいを感じられる仕事を自らつくって、働く人が自ら出資をして、それぞれ意見を反映し、事業運営に携わることができる協同労働に関し、組織の設立、管理、その他必要事項を定めております。多様な就労の機会を創出することや、地域における多様な需要に応じた事業が行われることを促進して、持続可能な活力ある地域社会の実現に資するということが目的とされているところであります。御案内のとおり、少子高齢化が進んで人口減少が大きな課題となっている中で、介護、障がい福祉、子育て支援、地域づくりなど、地域課題があるわけでありますけれども、さらには住民のニーズに応えていくためには、非営利の法人を簡便に設立できる制度が法制化されるということになるわけでありますので、仕事と生活の調和を図りながら、意欲と能力に応じて働くことができるようになっていくのではないかというふうに考えております。それから、様々な年代の方がその知識や経験を生かした働き方の選択肢が増えていくということも期待されるわけでありますし、また幅広い分野で事業が実現でき、地域における多様なニーズに応じた事業展開が行われるのではないかということで、大いに期待できるというふうに認識しているところでございます。
今ほど市長からもありましたが、本市の農業、福祉、環境、文化、スポーツなど、あらゆる地方創生の地域課題解決の可能性も高い制度の一つであると期待できると思います。また、少子高齢化が顕著に進む中で、市内の各地域における行政課題は非常に多くなっており、地域住民による主体的な取組も必要ですし、価値観の多様化が進む中で、多様な就労機会、この創出が大変重要かなというふうに思っています。去る12月1日、おとといの山形新聞のやましんサロンには、「地域に貢献、協同労働」というタイトルで、本市在住の須藤庄一郎さんが、今日は傍聴席にもいらっしゃっていますけれども、投稿されておりました。この先輩は、ワーカーズコープ労働者協同組合で働く人の思いや実践に学びながら、いつか若い人も参加する姿を思い描き、その道を一歩ずつたどってみたいというふうに書かれておりました。新年1月に再開予定のさんでーすてーじは、それを主幹されている五十嵐さんも今日傍聴席におられますけれども、市民の皆様や多くの企業が協賛していただいて286回の実績があって、市民の文化、芸能、芸術の拠点になっていると言われていますが、こうした活動においても、労働者協同組合として発展させ、次世代につなげていくべき宝だというふうに思っています。先進地広島市では、協同労働個別プロジェクトを立ち上げ、支援事業として様々な業種の創業支援を後押ししています。例えば、上限100万円で2分の1補助ということなどでプロジェクト事業の立ち上げの際に支援をしているというふうなことでございました。来年10月のこの法の本格施行を見据えて、市民に対して積極的な起業支援、設立の相談など、啓発事業について行っていただきたいのですが、市長の御所見をお聞きいたします。
(佐藤市長)
この施行に向けて、いろいろと事前にメリットやら、あるいはデメリットなどについて、我々も把握させていただいているわけでありますけれども、労働者協同組合法の施行によって、協同労働という働き方が認知されることで、働き方の選択肢がもちろん増えていく、さらには3人以上発起人があれば組合を設立できて、仲間と協同して組合をつくって、自分たちが主体的に経営を担いながら働くことも可能になると、こういうことが期待されるわけであります。先ほどおっしゃったとおりでありますが、一方で、組合は組合員との間で労働契約を結ぶことが原則となっているものの、その組合の業務を執行する組合員はこの対象となっておらず、協同組合で働く組合員が労働者として十分な保護が受けられないのではないかなどといった点、さらには協同で経営を担う人の集まりとなる仕組みであるために、意見の相違が生じないよう留意をして、採算が取れる組合にしていかないと、協同労働は難しくなるのではないかといった懸念などもあるというふうに聞いているところであります。こうした点も含め、先ほど御紹介ありましたが、先進的に協同労働モデル事業に取り組んでいる広島も含めて、全国各地の事例などを十分参考にさせていただいて、寒河江市内ではどういう事業に取り組むことができるかなどについて十分調査研究を行うとともに、先ほどありましたが、市民の皆さんに対する研修の機会などについても幅広く検討させていただいて、啓発事業についても実施してまいりたいというふうに考えているところでございます。
ぜひ庁内に横断的な部署などもつくっていただきながら、今、市長からありましたように、幅広く市民に啓発事業が行えるように進めていただければ非常にありがたいです。
もう一つ、市長からありました人間的な働き方、ディーセントワークというものも非常に大事になってきますので、やり過ぎてしまって労働者自らが規制できないなんていうふうにならないように進めていかなければならない組合の進め方だというふうに思っております。加えて、さくらんぼ農家の担い手確保や耕作放棄地対策等の新たなモデル事業としてできないかというふうな御提言でございます。
今御紹介した広島市における耕作放棄地の利活用の事業として、かんきつ栽培、加工品、お土産品開発販売、農地の草刈り、荒起こし、あと花作り、花植え、景観づくり、休耕田の利活用、菊、ニンニク、コンニャク栽培など、いろいろ行っているようです。本市において、労働者協同組合の事業活動において、人材確保や遊休農地の有効活用が期待できるというふうに思います。先進自治体の取組を参考に、廃校の校舎を利活用して、本市さくらんぼ農業の関連団体など、新たなモデル事業として支援していけないかというふうに思います。好調なふるさと納税の返礼品の中でも大変人気の高いさくらんぼですが、高齢化による離農者の増加と栽培面積の縮小、コロナ禍による営業自粛、異常気象による農作物の被害などで窮地に追い込まれている本市にとっては、若い力や熟年の力が今本当に必要ですし、将来のさくらんぼの里の存亡がかかっていると言っても過言ではないと思います。ぜひとも御検討いただきたいと思います。
(佐藤市長)
今、農業のお話がありましたが、この協同組合では、農業に限らず様々な地域課題に対して柔軟に対応できる可能性があるのではないかというふうにも考えております。特に、御指摘の農業分野は、寒河江市でも今までさくらんぼなども特に苦労しているわけです。労働力確保、それから遊休農地の解消などというのは苦労して、まだまだ喫緊の課題としてあるわけでありますので、そういった点について、この組合が解決に向かっての大変効果的な役割を果たしていくのではないかというふうにも思っています。今年もそうですが、さくらんボーナス、それから県と連携したマッチングアプリ事業などということで取り組んでいるわけでありますけれども、この法律の施行によってそういう取組が解消に向かっていければというふうに思っています。現在、御案内かと思いますが、県の主導によって農業労働力確保対策というのを進めています。来シーズンに向けた労働力の確保と充実に向けた計画というものを進めているわけでありまして、その中には潜在的な労働力掘り起こしをはじめ、中山間地対策、それから農福連携、それから異業種連携なども含まれるというふうに聞いているところであります。寒河江市としても、この法律の施行に向かって、農業分野のニーズなども十分酌み取りながら、農業分野のみならず、より効果的な幅広い支援策について、先進地などの取組も十分参考にさせていただきながら進めていきたいと思いますし、県の動向などについても連携して大いに前に進めていければというふうに考えているところであります。
今後とも、行政視察の先進地の取り組みにおける成果と課題を踏まえ、市民との話し合いを行い、それぞれの利活用を調査研究し、執行部に提言してまいります。
4.所感
「廃校」とは、児童生徒数の減少や、学校の統合、廃止によって学校が使わなくなることをいいます。文部科学省の実施した「廃校施設等活用状況実態調査」によると、2001年度から2020年度に発生した廃校で施設が現存している7398校のうち、5481校(74.1%)が様々な用途で活用されているようです。(2021年時点) 活用内容は、公共施設や体験交流施設、福祉施設のほか、近年は創業支援のためのオフィスや地元特産品の加工会社の工場など、地域経済の活性化につながるような活用も増えています。
本市の学校統廃合計画については、市民の多くの反対があったにもかかわらず、中学校3校を新中学校1校(1000人規模の超マンモス校)に集約し、さらに西部地区の旧5校、現3校を高松小学校跡地に集約する計画です。その後、西根小・三泉小の統合、寒河江小・南部小の統合、寒河江中部小・柴橋小の統合など方向性は示されましたが、具体の計画は未定になっています。
今回の行政視察によって、本市の廃校となる校舎の利活用については、基本的には、地元の要望に応えうる事業者がいるかどうかです。本市の小中学校は、鉄筋コンクリート3階建てのものがほとんどであり、維持管理が困難で、貸借契約を求める事業者が極めて少ないことか推測されます。そのため、建物については、耐用年数が経過して危険なものから解体を余儀なくされることは間違いないため、災害時に指定避難所となる体育館などの必要な構造物を除き、撤去されるでしょう。
そうなると、教育施設として、公共用施設として、利活用が見込めないものについては、事業者を公募して貸借する方法はありますが、皆無であれば、更地にして屋外施設のみ維持するか、土地を売却する方法しかありません。
地域のかけがえのないシンボルで、文化やイベントの拠点であり、災害時の指定避難所となっている小中学校について、簡単に解体撤去できない重要な課題です。
すでに廃校が予定されている陵東中学校については、新病院敷地として解体撤去が決まっています。陵南中学校については、屋外施設について、新中学校のグランドとして再利用することも、先日決定しました。その他、陵西中学校については未定です。市立病院など学校以外の市有財産の跡地も未定です。こうした計画がありながら利活用が未定であるものについて、できる限り早急に利活用計画の方向性を見出していくことが必要だと、強く痛感しました。
4.所感
「廃校」とは、児童生徒数の減少や、学校の統合、廃止によって学校が使わなくなることをいいます。文部科学省の実施した「廃校施設等活用状況実態調査」によると、2001年度から2020年度に発生した廃校で施設が現存している7398校のうち、5481校(74.1%)が様々な用途で活用されているようです。(2021年時点) 活用内容は、公共施設や体験交流施設、福祉施設のほか、近年は創業支援のためのオフィスや地元特産品の加工会社の工場など、地域経済の活性化につながるような活用も増えています。
本市の学校統廃合計画については、市民の多くの反対があったにもかかわらず、中学校3校を新中学校1校(1000人規模の超マンモス校)に集約し、さらに西部地区の旧5校、現3校を高松小学校跡地に集約する計画です。その後、西根小・三泉小の統合、寒河江小・南部小の統合、寒河江中部小・柴橋小の統合など方向性は示されましたが、具体の計画は未定になっています。
今回の行政視察によって、本市の廃校となる校舎の利活用については、基本的には、地元の要望に応えうる事業者がいるかどうかです。本市の小中学校は、鉄筋コンクリート3階建てのものがほとんどであり、維持管理が困難で、貸借契約を求める事業者が極めて少ないことか推測されます。そのため、建物については、耐用年数が経過して危険なものから解体を余儀なくされることは間違いないため、災害時に指定避難所となる体育館などの必要な構造物を除き、撤去されるでしょう。
そうなると、教育施設として、公共用施設として、利活用が見込めないものについては、事業者を公募して貸借する方法はありますが、皆無であれば、更地にして屋外施設のみ維持するか、土地を売却する方法しかありません。
地域のかけがえのないシンボルで、文化やイベントの拠点であり、災害時の指定避難所となっている小中学校について、簡単に解体撤去できない重要な課題です。
すでに廃校が予定されている陵東中学校については、新病院敷地として解体撤去が決まっています。陵南中学校については、屋外施設について、新中学校のグランドとして再利用することも、先日決定しました。その他、陵西中学校については未定です。市立病院など学校以外の市有財産の跡地も未定です。こうした計画がありながら利活用が未定であるものについて、できる限り早急に利活用計画の方向性を見出していくことが必要だと、強く痛感しました。
5.むすびに
この度の行政視察に際しまして、快く受け入れていただきました那須町議会齋藤議長はじめ関係者の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

