Block
寒河江市議会寒河江市議会議員
渡辺けんいち
笑顔の花咲き、
 ひとといのちが輝く 
  温もりのまち 寒河江
視察研修先 :狭山市議会
視察研修項目:狭山市議会デジタル化推進方針について

1.はじめに

狭山市は、市域を西武鉄道の2路線が通り、1960年代以降東京郊外のベッドタウンとなり人口が急増した。近年では高度成長期に移り住んできた市民の高齢化・少子高齢化が進む一方で、新規転入者は減少しています。都心回帰現象の影響が大きいです。2005年国勢調査では鳥取県を上回る社会人口減少率を記録した。2012年、西武新宿線狭山市駅西口地区再開発整備事業が完了した。航空自衛隊の入間基地は市役所の南に位置し、9割が狭山市域にあります。
狭山市は、南西から北東へ向かう入間川とその低地を挟んで北西側は入間台地、南東側は武蔵野台地です。武蔵野台地北西端に国道16号、並行する西武新宿線は中心市街地のある狭山市駅で、狭山市駅を通り川越と所沢を結びます。
狭山市は入間市、所沢市とともに「狭山茶」の主産地です。また、明治9年(1876)県内初の機械製糸工場、後の暢業社が上広瀬村に創設され、群馬県富岡や福島県二本松と並ぶ国内屈指の優等品を生産する製糸工場となり、外商の手を経て海外にも輸出されました。昭和13年、南西部から豊岡町(入間市)にかけての地に開校した陸軍航空士官学校は、戦後ジョンソン基地と呼ばれていました。同48年に全面返還され、現在、航空自衛隊入間基地となっています。昭和37年から40年にかけては、当市域と川越市にまたがる約247万平方メートルの地に川越・狭山工業団地が造成され、自動車製造業をはじめとする企業が操業し、また、同48年には、上広瀬・柏原地区に狭山工業団地が完成しました。平成26年の事業所数は175、従業者数は16,213人で、県内有数の工業都市として発展し続けてきました。また、都心からも近く、その利便性と優れた環境、立地条件などから、昭和50年代には二つの住宅団地が完成し、住宅の建設も増え、人口も急増しました。そのなかで、当市が力を注いできた事業の一つに都市公園整備があります。自然そのままの森林と整備された菖蒲園、公共施設が点在する智光山公園、芝生と桜が見事な県営狭山稲荷山公園、自然林に囲まれた赤坂の森などです。平成29年現在、都市公園は32か所、街中の身近な公園などを含めると194か所。うるおいを提供し、イベントなどの開催や災害時には避難場所などにも利用することができます。
緑の多い生活空間、快適でうるおいのある生活環境など、狭山市は今、緑の快適都市です。

直近の人口:148,221人 72,840世帯 2025年4月1日現在
当初予算 :一般会計 53,622,000千円 
議員定数 :22人

2.視察事項

狭山市の市議会デジタル化推進方針について
今回は、2021年6月にデジタル化推進特別委員会が設置され、議会のデジタル化を協議してこられ、2022年12月に推進方針が策定されたことを視察研修させていただきました。推進強化対象期間が2023年1月から2027年4月までと設定し、現在取組が行われています。
当日は、大変ご多用にも関わらず市議会内藤議長様はじめ議会運営委員長兼情報化推進プロジェクトチーム座長の笹本議員様、副座長の広山議員様、関根議員様のご臨席を仰ぎ、懇切丁寧なご説明を享受させていただきました。衷心より厚く感謝申し上げます。

ご提供いただいた資料より抜粋(狭山市議会が目指すデジタル化)

【写真】ご提供いただいた資料より抜粋

  1. 方針策定の趣旨

    新型コロナウイルス感染症の拡大は、ソーシャルディスタンスの確保や 非接触・非対面を取り入れた新たな生活様式への移行など、デジタル化 を加速させました。 こうした状況の中、ICT化を手段としてデジタル技術を活用し、変革を進め新たな価値を創造するDX(デジタル・トランスフォーメーション)が社会全体に求められています。狭山市議会においても、これらの変革に対応するため、令和3年6月にデジタル推進特別委員会を組織し、本市議会のデジタル化について協議を進めてきました。 この方針は、議員力の向上はもとより変革を進めて、市民に寄り添い開かれた市議会となるように、デジタル技術等を活用し、時代に即した市議会いくため、本市議会におけるデジタル化に関する基本的な考え方や方向性を示すため策定したものであります。

  2. 現状と課題

    狭山市議会では、平成27年に、近隣市議会に先駆け議会グループウ エアを導入し、FAXを使った連絡からの切り替えやグループウエアの掲 示板機能を使った情報共有など、議会デジタル化を進めてきました。 デジタル化の推進にあたって、情報端末BYOD11(ビー・ワイ・オー・ ディ)を原則に進めていますが、端末の性能に依存することから、端末の 起動時間やプラットフォーム2の差異によるアプリケーションの操作方法 が異なるなどの状況が生じています。また、議員のICTリテラシー3は、議 員間で情報量や技術に相当の差があることから、議会デジタル化への理 解が進まない要因の一つとなっています。 議会棟のネットワークは、総務省「三層の構え4」の導入により、議員が 市役所のネットワークにアクセスできなくなったことから構築したもので、 それまで事務局職員が業務用に使用していた光回線を流用し、会派控 室への配線やアクセスポイント設置を行っています。そのため、光回線の 規格は10年以上前のままであり、オンライン会議など動画の継続的な受信といった、今後のDX推進に向けて大きな支障となっています。 これらのことから、本市議会では、デジタル化を推進するにあたり、これらの課題を認識し目標・目的を明確に定めるとともに、デジタル化に必要な様々な基準を作成し、議会デジタル化を計画的に進めていくべきものと考えます。

  3. 基本姿勢

    「狭山市情報化基本計画」が掲げる目的である「質の高い市民サービ スを提供するために、従来の枠組みを抜本的に見直したスマート自治体 への転換を推進する」ことを狭山市議会においても実現させるため、本 市議会がデジタル化を推進する際の考え方と方向性を次の5つの基本 姿勢として取り組みます。
    ⑴市議会のデジタイゼーション・デジタライゼーション
    環境保護につながるペーパレスの促進、さらには議会関係者の働き方改革のため、過去の慣習に捉われることなく、デジタイゼーション・デジタライゼーションに取り組むとともに、その取組が、狭山市や狭山市議会 のDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進につながるように、市議 会のデジタル化を進めます。一例として、激甚災害等の発生時に物理的 な参集を伴わずに会議を実施すること、執行部からの諸報告を受けること等が可能となります。
    ⑵ 情報セキュリティ対策と議会棟インフラ整備
    狭山市議会が保有する情報資産を守るために、情報セキュリティ対策 の強化を推進します。また、本市議会においてもオンライン会議やオンライン面談が可能となるように、議会棟にインターネット接続環境を整備するとともに、環境維持のため、議会内での情報化推進員(仮称)設置等の 人材育成、リスクマネジメント体制の整備を図ります。
    ⑶ 議員のICTリテラシーの向上とBPR
    効率的な議会運営と市民ニーズにあったサービス実現のため、ICTの 利活用を推進するとともに、狭山市議会内のICTガバナンスを強化し、 適正かつ効果的に情報システムを活用します。また、業務プロセスを見 直すこと(BPR)で、議会事務の簡素化と事務効率の向上を実現させ、議 会運営コストの縮減を目指します。
    ⑷ 市民等への議会情報提供
    市議会議員一人ひとりが市民の代表として、情報技術を活用し、幅広く市民からの意見聴取を行い、市民ニーズや地域課題を捉え、狭山市の 施策や議会情報の速やかな提供を様々な手法を通じて図ります。
    ⑸ SDGsに貢献したデジタル化
    狭山市議会では、議会デジタル化の推進にあたっては、狭山市総合計画の施策53「地域情報化の推進」が目指す姿を基本的な考え方とします。また、デジタル化は、SDGsの基本理念である「誰一人取り残さない」た めの重要なツールの一つであり、目標16「平和と公正をすべての人に」であることを理解し、本市議会の計画的なデジタル化を図ります。

【質疑応答】ご紹介いただいた資料に基づき、事前に質問したもの

⑴ AIやRPAを活用している事例についてご教示願います。
【回答】ログミーツを使用。全体では活用していない。

⑵ オンライン会議は、どの程度しておられるか
【回答】新型コロナの罹患した場合など、感染症対策を想定している。

⑶ 個人情報保護について
【回答】政治倫理の規定を順守することは、デジタル化でも同じとして実施している。

⑷ 委員会のライブ配信について
【回答】本会議のみで各委員会は実施していない。

⑸ 議員の安易な言動や誤解を招く表現のリスクヘッジについて
【回答】インターネットにおけるトラブルや炎上などは回避しなければならない。また、政治倫理について議員としてのモラル遵守は個人責任を負う。

⑹ コンプライアンスやリテラシー向上について
【回答】個人がそれぞれ任意で実施している。

⑺ 議員間のデジタルリテラシー格差の克服について
【回答】一人も取り残さない方針で、議員間のコミニケーションを密にしている。

⑻ デジタル化推進方針の中で重要視した項目とその理由について
【回答】直ちに集まって協議する必要がある場合の対応を想定して実施してきたこと。

⑼ 市民とのオンライン協議
【回答】実施していない。これは、広報委員会所管

⑽ デジタル化推進の効果の検証とその手法
【回答】エビデンスを集めて見えるように取り組んでいる。事務局職員の負担軽減や働き方改革のため、デジタル化推進によって業務量が増大し本末転倒となることを回避しなければならない。

【当日の特記すべき事項 メモ】
議員の平均年齢は61歳
市民の高齢者向けのペーパーレス対策は、自治会によって格差があり、それぞれのニーズに対応している。

3.所感

デジタル化により、データがオンラインでやり取りされるため、セキュリティリスクが増加します。ハッキングやデータ漏洩などの脅威に対して、適切なセキュリティ対策が必要となります。また、個人情報の取り扱いに対するプライバシー問題も重要な課題です。また、デジタル化には高度なテクノロジーの利用が必要な場合があり、その恩恵を受けられない地域や層が存在します。デジタルデバイドが進展し、社会的格差が拡大する恐れがあります。さらに、デジタル化によって、人間とのコミュニケーションが減少することで、顧客サービスの質が低下する可能性があります。顧客は暖かい人間対応を求めることがあるため、人間性を大切にしたサービス提供が求められます。
デジタル化に頼りすぎることで、市民と議会がデジタルのトラブルによって議会事務局の業務がストップするリスクがあります。バックアップ策や代替手段の確保が重要です。これら議会のデジタルトランスフォーメーションは簡単なものではありません。組織の文化変革や議員各位のスキル向上など、多くの課題を乗り越える必要があります。
今後の展望としては、AIとの融合やデータドリブンの拡大が期待されますが、デジタル化の進展による社会的影響も懸念されます。先進事例から学び、デジタル化へのベストプラクティスを見つけることが重要です。私たちは、デジタル化のメリットとデメリットをバランス良く把握し、効果的な戦略を展開することで、持続的な成長と競争力の強化を図ることができると思いました。
むすびに、ご説明いただきました笹本座長はじめ議員の皆様、議会事務局の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

【写真】狭山市議会議員の皆様と本市議会運営委員会議員(筆者は右端)
【写真】狭山市議会議員の皆様と本市議会運営委員会議員(筆者は右端)