視察内容:「学びの多様化学校(白石きぼう学園)」について
1.はじめに
白石市の概要 (市ホームページ及び配布資料より転載)
白石市は、宮城県の南端にあり、西には雄大な自然景観をもつ国定公園蔵王連峰と東には阿武隈山系が連なる、南北に長い盆地のまちです。市街地の北側を白石川が西から東に流れ、町中の隅々にまで先人たちが築き上げた掘割が巡り、水と豊かな町並みを作り上げている城下町です。
慶応4年(1868)正月、鳥羽伏見の戦いが勃発し、戊辰戦争の火ぶたが切られました。そのような時勢の中、会津藩救済を求めた仙台・米沢両藩主の呼びかけに応じて奥羽25藩の重臣が白石城に会し、奥羽越列藩同盟を結びました。この同盟は白石同盟と呼ばれます。その後、越後の6藩が加わって奥羽越31藩同盟となり、状況の打開に努めましたが形勢は全く不利で、ついに9月15日降伏し、戦乱は終わりをむかえました。
戊辰敗戦後、白石地方は白石藩、白石県、角田県と様々に形を変えながら明治4年11月、仙台県となりました。家屋敷を失い生活の糧を失った旧白石家中は、侍として北海道に渡るか、以後農民としての人生を送るか二者択一を迫られました。北海道に入植することを決意した多くの者が北海道へ旅立ち、新天地に望みを託しましたが、その後に控えていたのは苦難の連続でした。しかしそれらの困難を乗り越え開拓に励み、現在の札幌市白石区・登別市発展の礎を築いたのです。
白石市は、初代仙台藩主である伊達政宗の重臣、片倉家の城下町です。初代片倉小十郎景綱は伊達政宗の智将として知られています。現在は、ゲームソフトのキャラクターとして登場しており、若い女性を中心に人気があります。
2.視察事項
文部科学省からの指定を基に,令和5年4月に学びの多様化学校(いわゆる不登校特例校)「白石市立白石南小学校・白石南中学校(通称:白石きぼう学園)」を開校しました。公立の小中一貫校として設置し,東北では初,全国でも2校しかない学校です。
白石市でも不登校は課題の一つです。これまでも児童生徒の多様な学び・不登校児童生徒に対する支援として,白石市教育支援センター「子どもの心のケアハウス」や仙南けやき教室,学び支援教室などの整備・充実を進めてきました。この度の「白石市立白石南小学校・白石南中学校(通称:白石きぼう学園)」の開校は,学びの場の選択肢の一つとして新たな学校を設置し,児童生徒の「学力の保証」「社会的自立」に結び付けていくことを目指しています。白石市立白石南小学校・白石南中学校は,特別の教育課程を編成し,不登校児童生徒の実態に配慮した個に応じた学びを実施するものです。市内すべての小中学校に在籍する児童生徒を対象としています。学校説明,転入学の説明,見学・体験入学等,随時行っています。
(参考)広報しろいし
【質疑応答】 資料に基づき、事前に質問し当日ご回答いただいたもの
【回答】
市内教職員研修 広報紙アナウンス
【回答】
校長 教頭(小中各1名) 養護教諭 事務職員 スクールカウンセラー
小学校教諭等4名 中学校教諭等8名
市費指導支援員4名 市費業務員
【回答】
「白石タイム」で基礎的な学力が保障され、他校とは違う特別な学びでマイペースが最大限尊重され、個別学習で学びなおしができ、多くの体験をしながら良い変化をもたらすまなびの場となっている。希望すれば、高校入試等の外部のテストを受けることもできます。多くの児童生徒が安心して学校に通えるようになっています。
【回答】
学校に居場所ができた 学校に行くことで前向きになった 少しずつ将来のことが考えることができるようになった 仕事が持てた 家で子どもの帰りを迎えられるようになったなど
【回答】
教育支援センター、オープンスクールや随時の研修などです。
【回答】
他の市立小中学校と全て同じです。スクールバス・市民バスや基本は、全て無償です。
【回答】
児童生徒の2割程度が他市より移住しています。
【回答】
山形県上山市に今年度開校した「きらり学園」の交流を計画しています。開校式には、白石市長と教育長が招かれ、今後、県を超えた連携を築いていくことも課題です。
ある食品工場を経営する協賛企業では、単に浄財による寄付だけでなく、食材や調理師を派遣して、家庭科実習を積極的に開催していただいています。さらに、2000冊の図書を寄付していただきました。図書コーナーは、大変充実しています。
3.考察
学校に行くのが困難な子供たちの多様な選択が可能となる教育環境整備について
私は、全国に約40万人に及ぶと言われる児童生徒の不登校問題について、学びの多様化と多様な選択肢となりうる義務教育学校のせっちを展望して、齋藤新市長就任した2025年3月議会一般質問において提言を行いました。 一般質問(2025年3月7日 第1回定例会議事録 以下抜粋)
(渡邉議員)
学校校に行くのが困難な子供たちの多様な選択が可能となる教育環境整備についてでございます。先ほど古沢議員の質問の御答弁もありましたけれども、残念ながら本市でも104名の多くの児童生徒が不登校ということでいらっしゃいます。今回提案されている一般会計予算に寒陵スクールの拡充2,138万円、スクールソーシャルワーカー306万5,000円ということで新規で計上されていることは、非常によいことだと思います。ぜひ未来の寒河江市を担うさがえっこの一人も取り残すことのない育成、統一的なビジョンの作成・策定、誰でも学べる優良な教育環境の構築については、私たちの本当に大きな使命だと思います。県内自治体でも先進的な計画を策定された上山市の中学校2校化というのがあるわけですけれども、上山市は齋藤市長の御出身の地でもありますので、ぜひそれをモデルとしていただくようにと思いますが、教育長としての御所見をお伺いします。
(佐藤教育長)
ただいま渡邉議員からありましたように、来年度は寒陵スクールの教育支援センターとしての機能の強化として、開設時間を午後までに延長することや、ICTを活用した支援を行っていきたいと考えております。また、保護者や学校への支援として、スクールソーシャルワーカーの配置を目指しているところです。
さて、新聞等でも報道されていますように、来年度の4月には、上山市に県内初の学びの多様化学校、通称「上山きらり学園」が開校します。学びの多様化学校では、不登校児童生徒の実態に配慮して体験活動を重視した特色ある教科を新設したり総授業時数を削減したりするなど、柔軟性を持たせた特別な教育課程を編成しますので、学校に行きづらさを感じている児童生徒の選択肢の一つとなると思われます。御指摘のように、多様な選択によって学校に行けない子供たちの学ぶ環境を提供していくということは、とても重要なことであると思います。昨年度の全国の小中学校の不登校児童生徒のうち約4割の13万4,000人の児童生徒が、学校の内外でスクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラー、教育委員会などの専門的な支援を受けられない、受けていないという状況でした。寒河江市におきましても、昨年度の不登校児童生徒123名のうち約4割の52名は、専門的な支援を受けられていませんでした。来年度、スクールソーシャルワーカーの配置がかなえば、こうした子供たちにも積極的に関わっていただき、学びたいと思ったときに学べる状況もつくっていけるのではないかと考えています。
寒河江市内の全ての児童生徒に学びの場を保障し、学校に行きづらさを感じている子供たちがそれぞれの状況に応じ多様な選択ができるよう、教育環境の整備に努めていくことが必要であると強く感じています。そうした意味でも、学びの多様化学校の設立ということについて検討していくべき重要な課題の一つであると考えております。
4.むすびに
この度の行政視察に際しまして、快く受け入れていただきました白石市議会佐藤秀行副議長はじめ半沢芳典教育長はじめ教育委員会、学校関係者及び議会事務局の皆様に心より感謝申し上げます。ありがとうございました。

