1.はじめに
1 地理
本市と友好都市の盟約を締結した斗南鎮は、雲林県の東南に位置し、斗六台地と雲嘉沖積平原の接点にあたります。東側は斗六市や古坑郷と接し、西側は大湖口渓を挟んで大埤郷、南は華興渓と嘉義県大林鎮に接しています。また、北側は虎尾鎮に隣接しており、地域間の交通も発展しています。この地理的条件により、豊かな自然環境が整っており、さまざまな観光スポットが点在しています。
2 歴史
かつて「他里霧」という名称で呼ばれており、原住民族の和安雅族に由来しています。明末の鄭成功の時期には、漢人の入植が始まりました。その後、清朝の統治下で他里霧社として諸羅県に所属し、1886年に新たに設立された雲林県に組み込まれました。日本統治時代(50年間)となった1897年には、他里霧支庁が設けられ、1907年には嘉義庁に属するようになりました。また、1910年には他里霧区が設置され、それに伴い区長役場も設立されました。1920年には台湾の行政区画の改正が行われ、「斗南」と改称され、台南州斗六郡に編成されました。戦後の1946年には斗南鎮公所が設立され、1950年から現在まで雲林県に所属しています。
3 経済
地域の特産品を生かした農業が盛んに行われており、それが地域経済の支えとなっています。また、近年では観光産業も重要な経済の一環を担っており、観光客の増加が見込まれています。これにより、新しいビジネスや雇用機会が生まれ、地域全体の経済振興に寄与しています。
4 観光
斗南鎮には多くの観光名所があります。例えば、斗南駅は交通のハブとして重要な役割を果たしており、観光客にとって便利な拠点です。また、斗南順安宮や他里霧生活美学館などの文化施設も訪れる価値があります。二重溝や将軍崙温磘宮など、自然の美しさを楽しむことができる場所もあり、多様な体験を提供しています。さらに、斗南分局旧弁公庁舎や雲林県立斗南陸上競技場など、歴史的背景を持つ建物も訪問者を魅了しています。
2.視察・交流の訪問先
1 斗南鎮公所での熱烈な歓迎式典
ツアーバスを降りた私ども訪問団を熱烈に歓迎していただきました。公所玄関前から真っ赤な絨毯が敷かれ、職員の皆さんおよびジャガイモを模したゆるキャラが日本台湾両国の国旗を振って満面の笑みでもてなしていただきました。歓迎式典では、寒河江市斗南鎮両代表の挨拶や、斗南鎮の経済をわかりやすくまとめた動画を披露していただきました。記念撮影の後、公所庁舎内の鎮長室、議事堂を案内したいただき、スナップ写真を撮りました。
2 虎尾鎮(こびちん・)視察
日本統治時代の砂糖生産工場敷地内にある駅舎。現在は、本市の高齢者のイキイキ元気事業のようなカラオケ、トランプ、創作活動などが行われていました。駅舎は、旧寒河江駅と同じような作りで、旧国鉄が建設したものである。50年前の西根小学校6学年時代に、寒河江駅早朝清掃ボランティアを毎週日曜日の6時から7時まで行っていた昔々の幼い時代を思い起こすことができました。また、スマートフォンの翻訳機能で現地で片言の会話をすることができました。
3 石廟生産合作社「豆豆家族」(大豆の加工工場)視察
域農家と大豆の契約栽培を結んで、生産・加工・販売を一貫して行っています。湯葉の生産のみならず、野菜の繊切り、サツマイモや乳製品を包んで冷凍する製品まで見せていただき、試食もご提供していただきました。大変美味しいので、本市の特産である「子姫芋」の切株をつかった新製品「子姫巻き(仮称)」の開発も視野に、今後の経済交流を活発にできるヒント、例えば、中央工業団地への貴社誘致で、最先端技術を導入し、地産大豆「秘伝」とも合わせた6次産業化製品を開発し、地産地消が可能になると確信しました。
4 三欣園芸(レタス栽培農の大規模野菜ハウス)視察
社長及びお嬢様に1棟2億円を投じた温室は、27度の温度設定のみならず、水かけや消毒などの農作業を独自に開発した生産技術ソフトでオートメーション化し、安全で高品質なレタスの生産に取り組んでおられました。
5 松暐蘭業(胡蝶蘭生産園芸農業)
1996年創業の雲林縣たいひきょうにある花卉生産農家で日本をはじめ北米・欧州・中東など世界15か国に輸出しています。特筆すべきは、園芸デザイナーのリクエストに応えるために、白い蘭に自由に着色できる技術を独自に開発しました。国際的な蘭展で高評価を得ており、ブランディングが確立しています。本市では、かつて薔薇生産の生産量東北でも有数の地域でしたが、現在は残念ながら衰退の一途を辿っており、栄枯盛衰の理を表す複雑な心境でありました。
6 偶的家(台湾人形工場)
台湾伝統芸能のひとつである布袋劇(人形劇)の人形を生産しています。現地では、貴重すぎる展示品を多数拝見してまいりました。日本でもかつて、ひょっこりひょうたん島や南総里見八犬伝、プリンセス プリンプリン物語など同様の人形劇がテレビで毎日放映されていたこともあり、懐かしい時代を思い出し、親しみを持って見ることができました。
3.感想
このたび、山形県寒河江市の友好都市である台湾・斗南鎮を初めて訪問する機会を得ました。これまで交流の歴史について耳にすることはありましたが、実際にその地を訪れ、斗南鎮の空気を肌で感じ、人々と直接触れ合うことで、友好都市という言葉の重みと温かさを深く実感することができました。
斗南鎮公所に到着すると、私たちを迎えてくださったのは、想像をはるかに超える熱烈な歓迎式典だった。会場には多くの職員の方々が集まり、色鮮やかな国旗や横断幕が掲げられ、まるで長年の友人を迎えるかのような温かい雰囲気に包まれていました。沈鎮長様及び陳議長様の歓迎の言葉からは、寒河江市との交流を心から大切に思っている気持ちが伝わり、胸が熱くなる瞬間が何度もありました。式典で披露された紹介動画は、斗南鎮の産業・文化の豊かさを象徴するものであり、初めて触れる人情に深い感動を覚えました。
その後に開かれた歓迎会は、まさに「友好」の名にふさわしい盛り上がりでした。会場には地元の食材をふんだんに使った料理が並び、斗南鎮の皆さんが誇る海産・農産物の豊かさを味わうことができました。ステージで日本の歌や踊りで、言葉の壁を越えて笑顔が広がり、互いの手と手を取り合い、交流する時間は、生涯忘れがたいひとときとなりました。また、国際ロータリー協会の参加者の皆さんが寒河江市のことをよく知っており、親しみを込めて話しかけてくださったことが、とても嬉しかったです。
斗南鎮を案内していただく中でも、農業の力強さと生産現場の活気に圧倒されました。大豆加工、レタス生産、蘭栽培など活き活きと生産活動されている様子は、まさに地域の生命力そのものでした。本市の果樹生産農家と重なる部分も多く、同じ「農業を基盤とする町」としての親近感を強く覚えました。一方で、気候や食文化の違いから生まれる独自の魅力も随所に感じられ、互いの地域が持つ個性を尊重しながら交流を深めていくことの大切さを改めて実感しました。
4.むすびに
今回の訪問を通じて、斗南鎮との友好関係は単なる自治体同士、経済人同士、ロータリー会員の交流だけではなく、人と人が心を通わせる「本物のつながり」であることを強く感じました。熱烈な歓迎式典や賑やかな歓迎会での温かい笑顔は、これからも私の心に残り続けると思います。今後、機会があれば再び斗南鎮を訪れたいと思います。そして寒河江と斗南鎮の交流が、これからも互いの未来を豊かにする架け橋として続いていくことを心から願ってやみません。
最後に、今回の訪問を招致していただきました斗南鎮の皆様に心より感謝申し上げます。そして、訪問事業を企画・実施していただきました実行委員会事務局の皆様に衷心より御礼申し上げます。ありがとうございました。

